医療法人 明日葉会 札幌マタニティ・ウイメンズホスピタル

全身麻酔では呼吸・循環・疼痛管理を行う

「誰かの役に立ちたい」と、父と同じ医師を志しました。外科医と悩みましたが、医学生のときに受けた手術で麻酔に興味を持ち麻酔科医を選びました。
 患者さんに苦痛なく手術を受けてもらうのが麻酔科の仕事ですが、麻酔薬や鎮痛薬は体に負担がかかるので、患者さんの様子を見ながら適切な量を投与します。眠っていても痛みに身体が反応し、影響を受けるため手術中も様子を常に観察しながら薬を調整します。大学の麻酔科学教室に入り、大学附属病院や地方の基幹病院に勤務し、死との境目にいる人の手術など、多くの手術を経験しながら、技術や精神力を鍛えていきました。
 医師は自分の持っている知識や経験を生かし、患者さんを診断し治療していきますが「助けられる」と言い切れるほど、医学は万能ではありません。私自身も人の死を目の当たりにしてきました。研修医のころはショックも大きく、しばらく引きずることもありました。もっとできることはなかったのかを考え、それを繰り返し、患者さんに真摯に対応していく。その信念があるから、現在も医師を続けられているのだと思います。

麻酔で陣痛の痛みを抑え出産する和痛分娩(無痛分娩)

 以前より興味があった和痛分娩の麻酔を担当したくて、ここに就職しました。和痛分娩の麻酔は、お母さんが赤ちゃんを産み出す力を残しつつ痛みを和らげる特殊な方法です。眠らせる全身麻酔と違って、話をすることができます。痛みをすべて取り除いてしまうと陣痛がなくなってしまうので、妊婦さんが頑張れる程度までお話をしながら薬を調整し和らげていきます。妊娠高血圧症候群※で帝王切開になりそうな妊婦さんが和痛分娩で痛みによる血圧上昇を防いで産むことができたときは、役に立っていると感じてうれしかったです。でも、痛みを和らげると聞いて出産を怖がらないでくださいね。陣痛の痛みは赤ちゃんが生まれてくる合図です。私も毎日赤ちゃんの誕生に関わり、たくさん元気をもらっています。2024年9月30日発行さくらノートvol.20掲載記事

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